運命

あなたと出会ったのは、運命でしょう。

まだ小さなあなたは、2年前に死んでしまったあの子を思い出させました。

私の手の中で、じっとしているあなたを家まで連れて帰りたいと強く思いました。

小さくて、儚くて、でも確かにある命。

とても愛しいと感じるあなたの体温。

だけど、あの子と違ってあなたは自分で生きていけるように、思えました。

だから、私はその扉を開けるお手伝いだけをしました。

でも、それは正解だったのでしょうか？

まだ小さく見えたあなたは、あれから元気に過ごしていますか？

外の世界は少しずつ寒くなっていき、色んな危険にも遭うでしょう。

私は間違っていたのでしょうか？

あなたをそのままに、しておいた方が良かったのでしょうか？

あれからずっと、考えています。

不安な反面、あなたと出会えた事をとても嬉しく思います。

どうぞ、元気でいますように。

あの子のように、なっていませんように。

ひとりごとです。

ごめんなさい。

ありがとう。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　伽音